転院時の看護師付き添いの事例
拝啓 奥さま
東京では例年になく寒い日々が続いておりますが、
温暖な土地でご家族とともに穏やかにお過ごしでしょうか。
早いもので、春にご主人の転院のときに、
沖縄まで付き添いをさせていただいてから、もう半年以上が過ぎました。
新しい生活環境にはもう慣れましたか?
そちらは奥さまとご主人がともに生まれ育った街ですから、
周りにご両親やご兄弟、お知り合いも多いことでしょう。
何か困ったことがあっても、助けてもらえる人達が近くにいるというのは
きっと心強いことだろうと思います。
それにしても、
東京から沖縄まで2泊3日の船旅は本当に大変でしたね。
私たち看護師にとっても、
船内という特殊な環境で行なうケアは、なかなか経験できるものではなく
常に緊張しっぱなしの3日間でした。
長い船旅の最中には、奥さまとゆっくりとお話する時間もありましたね。
デッキチェアに二人で並んで座って太海原を眺めながら、
ご主人と20年間お過ごしになった東京でのことや、
これからへの不安と、故郷へ戻る安堵感を、
同時に口にされていた奥さまのことを今でも時々思い出しています。
この事例の基本情報
対象者とそのご家族の基本情報
対象者 | 男性、40代、交通事故後遺症 | ご家族 | 奥さま、息子さん(10歳) |
---|---|---|---|
対象者の 状態 |
寝たきり。一人では身動きが取れず生活全般に介助が必要。脳損傷のため意思疎通不可。点滴管理。 |
ご要望
ご主人を故郷の病院へ転院させることを決めた奥さまから、
船での移動中の安全確保のために看護師に付き添って欲しい、というご要望を受けました。
当社の看護内容
・看護師2名交代で24時間体制の見守り
・バイタルサイン測定(血圧・脈拍・体温)、たん吸引、点滴管理、体位変換、清拭など
本事例のポイント
ご主人の強い思い
・船という特殊な環境でのケアであったため、入念な事前準備を行いました。
・大きく揺れる船内で思わぬ事故が起きないよう、24時間体制で見守りを行ないました。
・精神的なストレスを抱えたご家族のメンタル面への支援も行いました。
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