訪問介護について About Home Nursing

在宅医療における薬剤師の役割

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在宅医療では、医師や看護師による訪問だけではなく、医師の指示のもとに薬剤師も患者を訪問することがあります。薬剤師は在宅医療において、どのような役割を務めているのでしょうか。

在宅医療で薬剤師が担う役割とは?

薬剤師は在宅医療で服薬指導を行うことによって、ADLといわれる日常行動動作やQOL(生活の質)の維持を図る、あるいは向上させる役割を担っています。在宅医療を受ける患者の中には、薬の飲み方や飲み残し、あるいは飲み合わせの問題から、全身状態が悪化するケースがみられます。そんなときに直接患者の住まいへ訪問して、薬を服用しない原因を探り、服用できる状態へ改善を図るのが訪問薬剤師の業務です。
実際に患者のもとへ訪問することで、どのような飲み方をしているか把握し、飲み方の指導をする、あるいはどのような形態の薬に変えると飲みやすいか判断します。患者や家族から医薬品に関する相談も受け付けます。

訪問看護での薬剤師の位置づけとは

訪問看護で薬剤師が訪問する目的には、医療保険で扱う「在宅患者訪問薬剤管理指導」と、介護保険での「居宅療養管理指導」があります。
「居宅療養管理指導」では、処方箋を受け付けた保険薬局(かかりつけ薬局)等の薬剤師が、処方箋で医師か歯科医師から指示を受けて、患者あるいは家族の同意を受けた後に患者の住まいを訪問します。月4回までの利用とされていますが、利用限度額には合算されないため、患者は「居宅療養管理指導」を利用しても受けられるサービスは減りません。1回の利用者負担として、患者は500円を支払います。ただし、老人ホームなどの居宅系施設へ入所している人の自己負担額は1回350円です。

実際の訪問看護で薬剤師は何をする?

薬剤師は処方箋に基づいて調剤した薬を患者の住まいに届けます。薬剤師が訪問することで、薬の重複や飲み合わせの問題を明らかにし、解決へと導きます。薬の飲み残しが起こる理由は、大きく分けて薬が飲みづらいことと、飲み忘れることです。例えば、飲みにくいようであれば錠剤粉砕を行い、飲み忘れる場合には複数の薬をひとつの袋にまとめる一包化を実施します。必要に応じて、薬剤師から医師へ飲み忘れや残薬などの薬の使用状況が伝えられ、ケアマネジャーや看護師とも連携が行われます。

薬剤師は薬を調剤するだけの役割を果たすと思われることもありますが、患者が適切に薬を服用するように声かけする服薬管理も担う立場です。患者が薬の効果を得るためには、状況に応じて薬剤師による指導を取り入れる必要があります。