大津市の訪問看護事情
滋賀県の県庁所在地であり、中核市として機能している大津市。平成26年には市内の高齢者人口が約8万人を超えて、次第に高齢化率も高まりつつあります。大津市における訪問看護の現状や問題点についてまとめてみました。
大津市の高齢者の人口と要介護者数
大津市の統計によると、2014年10月1日時点の大津市の人口は342,818人。そのうち65歳以上の高齢者は80,491人で全体の約24%となっています。2009年は66,726人だったので、この5年間で約1.2倍となりました。
わが国では2035年には総人口のおよそ3分の1が65歳以上の高齢者となると見込まれています。大津市でも高齢者の人口は増え続け、国の平均のおよそ5年遅れで推移する見込みです。
一方、大津市の要介護者に認定されている人は、2014年3月31日時点で14,732人であり、前年度よりも739人増加しています。
滋賀県および大津市の訪問看護ステーションの数
厚生労働省が実施した「平成25年介護給付費実態調査」によると、滋賀県の人口10万人当たりの訪問看護ステーション数は6.7で、全国で29番目の数です。全国平均の7.0をわずかに下回っていました。
大津市では、2015年5月5日時点の訪問看護ステーション数は21となっています。人口10万人あたりに換算すると6.1となり、滋賀県の6.7を大きく下回っていることがわかります。つまり、大津市は滋賀県の中でも人口が多い市であるにもかかわらず、訪問看護ステーションが十分ではないことを示しています。高齢者人口の増加に伴って、慢性的な病気を持つ自宅療養者も増えることが予測されるため、訪問看護ステーションの体制強化も課題です。
大津市が運営する訪問看護ステーション
大津市には2015年5月現在、21の訪問看護ステーションが運営されていますが、そのなかには市が運営する訪問看護ステーションが存在します。
大津市訪問看護ステーションは大津市民病院の中に設置されています。主治医や医療機関、ケアマネジャーと連携をして看護師が計画的に在宅療法を支援することを目的として設立されました。大津市訪問看護ステーションの営業時間は平日月曜から金曜、8時30分から17時15分までですが、24時間連絡体制が整っているため、状況に応じて夜間や休日の訪問も実施しています。退院した患者の生活支援のほか、在宅での看取り支援も行っています。
大津市は65歳以上の高齢者が年々増えているにもかかわらず、訪問看護サービスの体制がまだまだ十分とは言えない状況です。今後は、訪問看護ステーションの施設数および職員を増やすことが目標となるでしょう。