神戸の訪問看護事情
神戸港を基点とした国際都市として、雄大な自然とともに発展してきた兵庫県内でも大規模な都市、神戸市。おしゃれな都市として栄えてきた神戸市もまた、高齢化社会、訪問看護の問題に直面しています。そんな神戸市の訪問看護への取り組みについてまとめました。
高齢化社会の波を受ける神戸市の現状
2010年の国勢調査によると神戸市の高齢者(65歳以上)の割合は、人口約155万人に対して約22.9%。さらに、厚生労働省の機関である国立社会保障・人口問題研究所の調べでは、10年後の2020年には神戸市における高齢者の人口は約30%に上ると予想されています。地方に限らず、都市である神戸市も高齢化社会の波にさらされているのです。また、2011年の段階では支援が必要とされる要支援認定者と要介護認定者の数は、神戸市内だけで約7万人に上っています。高齢化の波を受けて、神戸市では訪問看護への取り組みが行われてきました。現在、神戸市で訪問看護を行う施設は約270施設。全国平均と比べて約10施設を上回っています。さらに、2012年には訪問看護に関する新たな制度が制定されるなど日々、医療の強化に取り組んでいる都市です。
2012年開始「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」
2012年に創設された制度が、地域の訪問看護において重要な役割を担っています。「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」は、これまで介護施設・看護施設でばらばらに行っていた定期巡回や訪問、随時対応を一本化しようとする取り組みです。制度を創設することによって、訪問介護のみしか利用できなかった患者が訪問看護も利用できるようになり、両者の良いところを使用できるようになります。例えばサービス面では、生活の援助だけであったサービス内容が、生活の補助を中心に看護職員の訪問、随時電話による相談を受けられるようになりました。
在宅心身障害児への支援
神戸市では、2011年から「在宅心身障害児(者)訪問看護支援事業」がはじまりました。神戸市在住で、一定の要件を満たす場合、訪問看護にかかった費用の一定の費用が控除されるという事業です。具体的には、医療費の実質的な負担額が1割に軽減されます。普通、訪問看護の医療費分も含め医療費の負担は3割負担になります。1割になると言うことは今までの3分の1の負担になるという意味です。負担額が軽減されることで、より安心して在宅で訪問看護サービスを受けられるようになりました。
兵庫県神戸市では、より充実した訪問看護を受けられるための制度が整っています。全国的にも、比較的高い比率で訪問看護施設があるので、より多様なサービスを受けることが可能です。