川崎の訪問看護事情
歴史を重ねてきた住宅地が多い川崎市。川崎市の訪問看護事情はどのようになっているのでしょうか。川崎市に住む高齢者の実情や川崎市の施策、川崎市にある訪問看護ステーションの特徴をまとめてみました。
高齢者も多く住む大都市・川崎
川崎市の統計資料によると、2014年10月現在で、人口約146万1000人に対して、65歳以上の高齢者は約27万3800人です。2017年には高齢者人口が30万人に達するとされています。高齢者の一人暮らしは約4万7000人で、高齢者のみの世帯は約4万7000世帯です。要介護・要支援認定者は4万人6000人を超えており、高齢者の人口の17.1%に及びます。認知症の状態にある人は2.9万人です。今後川崎市ではますます訪問看護ステ-ションのニーズが高まっていくと考えられます。
各区に数カ所の地域包括センターを設置
川崎市では、高齢者保健福祉計画および介護保険事業計画を「かわさきいきいき長寿プラン」として策定しています。高齢者が住み慣れた地域で暮らせる都市型の仕組みをつくるべく、地域包括ケアシステムの実現に向けて取り組んでいるものです。川崎市には7つの区がありますが、2014年10月の時点で最も高齢化が進んでいるのは川崎区であり、人口の21.56%にも及びます。そして麻生区21.16%、幸区21.02%と続きます。それぞれの区には数カ所ずつ地域包括支援センターがあり、川崎市から委託を受けた団体が運営し、訪問看護に関連するケアプランの作成などを行っています。
訪問看護ステーションは市内各所に立地
川崎市にある訪問看護ステーションは、神奈川県訪問ステーション連絡協議会に加盟すること業所だけでも、40事業所以上と市内全域にあります。川崎市の訪問看護ステーションは、24時間対応の事業所が多くを占めていることが特徴です。ターミナルケアに対応すること業所も多くありますが、人工呼吸器を取り付けた患者や精神疾患を持つ患者への対応は個別の相談とするケースがみられます。小児への看護ケアにも対応できること業所も、数は限られますが存在します。リハビリテーションの専門職である理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が所属すること業所に関しては、数が限定的です。特に言語聴覚士がいる訪問看護ステーションは限られているため、言語聴覚士を自宅に呼んで発語のリハビリを行うのは難しくなっています。
川崎市では川崎区を中心に訪問看護ステーションの施設数が充実しており、訪問看護を利用したい人が活用しやすい街です。高齢化社会に伴い、川崎市では在宅医療に対するニーズがますます高まると見込まれています。