高齢者介護の必要性
日本は今後高齢化が加速すると言われています。高齢者社会において高齢者介護がどの程度必要なのか、さまざまなデータをもとに検証してみましょう。
高齢者の人口割合と平均寿命の推移
内閣府の2014年版高齢社会白書によると、日本の65歳以上の高齢者人口は、2013年10月現在約3,190万で全人口の約25%を占めています。高齢者の割合は今後さらに増えて行き、2035年で全人口の約33%が、2060年には約40%が65歳歳以上の高齢者になると言われているのが現状です。その一方で、2012年現在の平均寿命は男性が79.9歳で女性が86.4歳ですが、今後もさらに伸び続け、2060年には男性が84.2歳、女性が90.9歳になると見込まれています。また、要介護者および要支援者の数もこの10年間で約1.6倍増加しており、今後もおそらく増え続けることになるでしょう。
75歳以上で介護が必要な人数が大きく増加する
内閣府が公開している2014年版高齢社会白書によると、高齢者の約半数が体の不調に関する自覚症状があり、日常生活の動作、家事や外出などに何らかの支障がある人は全体の約20%です。年齢別で見ると、75歳以上で年齢とともに増加傾向で、男性よりも女性の方が日常生活に支障があると感じている人がやや多い傾向があります。具体的に支障があることとして、食事や入浴などの日常の動作や外出、家事などを挙げる人が多く見られました。一方、要介護者および要支援者に認定された人は75歳未満では全体の5%に対し、75歳以上では約31%でした。つまり、75歳以上で介護が必要な人の数が大きく増加していることがわかります。
将来的には自宅での介護が中心になる?
2014年1月現在の介護保険サービスの利用状況を見ると、訪問介護や訪問介護などの居宅サービスを利用している人は、介護サービス受給者数の約7割にあたります。また、将来介護が必要となった場合にどこで介護を受けたいかという調査によると、自宅と答えた人が約36%で最も多く、次いで医療機関(約20%)、老人福祉施設(約18%)と続きました。厚生労働省実施の検討会でも、今後の高齢者介護は、施設入所は最後の選択肢と考え、住み慣れた場所でできる限りそれまでの生活を変えることなく過ごせるような環境作りを目指すべき、としています。
自宅での介護を希望する人が増えるにつれ、在宅介護や在宅看護などの居宅サービスへの関心や必要性も高まっています。今後は居宅サービスを充実していくことが課題となるでしょう。