埼玉の訪問看護事情
病気・障害を持つ人や高齢者などが在宅で看護を受けられる訪問看護。これまで高齢化率の低かった埼玉県においても単身高齢者や高齢夫婦が増えつづけると予想され、在宅医療へのニーズが高まっています。埼玉県における訪問看護の現状についてまとめてみました。
埼玉県内の訪問看護ステーションの分布
埼玉県には、2014年6月現在で約300の訪問看護ステーションがあります。市町村別に見ると、さいたま市に全体の約2割の訪問看護ステーションが集中しており、次いで、川口市、所沢市、川越市、春日部市、久喜市、越谷市などが比較的多い地域です。地域によっては、訪問看護ステーションが少ない、あるいは存在しないところもあります。しかし、コンサルティング会社が2015年に行った調査によると、訪問看護提供範囲外の要訪問看護者の推計が人口1000人あたり0.03人で全国一低いという結果でした。つまり、埼玉県は訪問看護ステーションの空白地域がかなり少ないといえます。
埼玉県の在宅医療に関する取り組み
「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」は、訪問看護と訪問介護を一体的にもしくは連携を取って行う24時間対応の保険介護サービスです。2012年からスタートしたサービスで全国的には十分に普及しておらず、利用者の認知度も低いのが現状です。埼玉県も例外ではなく、まだまだ普及が進んでいません。そこで、埼玉県ではアドバイザーが相談を受け付けるなど事業所の取り組みを支援しています。職員に対する研修も行い、現場の環境改善に力を入れながら訪問看護・介護サービスの普及促進を目指しています。
埼玉県の訪問看護ステーションを選ぶ際の注意点
埼玉県の訪問看護ステーションは医療法人が運営している施設が半数以上を占めていて、ほとんどが平日の日中のみの営業です。なかには土曜や祝日などに営業していること業所もあります。また、多くの事業所が24時間の連絡体制を取っていますが、医療法人が運営している施設でも24時間対応でないところもあるので注意が必要です。病状が急変した際にもかかりつけ医との連携の取りやすさを重視するのであれば、連絡体制の仕組みに注目してみましょう。また、実施しているサービスも事業所によって大きく異なります。希望するサービスがあるかどうかをよく確認するようにしてください。
埼玉県の訪問看護ステーションは都市部に集中していますが、サービス提供地域が充実しており、郊外でも訪問看護を比較的受けやすいことが特徴です。県内では医師不足なども問題視されているものの、県が地域医療の拡充に向けて積極的に動いています。