遠隔ネット医療が今話題に!
少子高齢化や地方の過疎化が進む日本社会。医療のあり方も、少しずつ変化を見せてきています。その中でも注目されているのが「遠隔ネット医療」。遠隔ネット医療とはどのような技術で、なぜ話題になっているのでしょうか。
遠隔ネット医療とは?
「遠隔ネット医療」と聞いてどのようなことを想像しますか?名前の通り、遠くはなれた場所からの医療行為を指します。病院と患者間はもちろん、医療期間同士での医療的なやりとりも含まれる言葉です。実はこの遠隔ネット医療、最近始まったわけではありません。初めての取り組みは1971年の過疎化の進んだ地方で始まりました。さらに、1990年代に厚生労働省内で遠隔ネット医療に関する組織化が行われ、現在厚生労働省や医療機関などによって拡大が図られています。
具体的にどのような治療が行われるのか
遠隔ネット医療といってもさまざまな取り組みが行われています。電話やテレビ電話を用いた手段も遠隔ネット医療のひとつです。電話を使って患者と直接会話をすることによって、患者のからだの状態や必要な処方などを判断します。この遠隔診断により、患者は自宅にいても医者の診断を受けることができるのです。また患者と医者とのやり取りだけでなく、医療機関同士のやりとりでも遠隔ネット医療は役に立ちます。例えば、細胞が正常化どうか判断をする病理医。全国的に不足していると言われる専門医です。遠隔ネット医療を使うことで、遠方にいる病理医に資料を送り正確な判断を得ることができます。
遠隔ネット医療が注目される理由とは
まずは日本が直面している少子高齢化社会が理由にあげられます。高齢者の中には直接病院に通うことが困難な方もいらっしゃいます。遠隔ネット医療は、自宅にいても診察を受けられる医療サービスとして注目されているのです。また、医師不足も要因のひとつです。長時間労働や医師の責任の重さにより日本での医師の数は年々減少傾向にあります。医師不足により地方の医療だけではまかなえない部分も出てくるため、遠隔ネット医療の重要さが増しています。
遠隔ネット医療の現状とこれからは?
2008年の厚生労働省の調査によると、遠隔ネット医療が利用されている医療機関は、全国の一般病院で約10%、診療所で約1%でした。全国的にはまだまだ広がりを見せていない状況です。さらに同アンケート調査では、対応している医療機関普及率に対して、国民のニーズは高い傾向にありました。遠隔による医療を希望している方が多くいるということです。遠隔ネット医療は普及が進むことによって、地方にいても都市部などと同じ医療を受けることが可能になります。まだまだ試行錯誤の段階ですが、法の整備などをきっかけにさらに普及していくのではないかという予想ができます。
遠隔医療ネットとは、遠隔から可能になる医療のことです。現段階では利用可能な医療機関は限られていますが、今後普及していく可能性が予想されます。将来の医療のあり方として知っておくと便利です。