目的で探す末期がんで自分で動くこともできないが、お世話になった知人と一緒に温泉に行きたい
このケースに当てはまる利用者像
対象者 | 60代 女性(肺がん) | 同居の ご家族 |
なし
※車で移動できる距離に長女がお住まい |
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対象者の 状態 |
◇末期の肺がんで延命治療は全て希望されず、食事もほとんど摂れていない状況であった為、持続的に低血糖状態が続いており、血圧も低値で車いすに座っておくことも困難な状態。 ◇筋力低下もあり、ADL全介助で痰も多く適宜吸引が必要であり、病状や血圧などの状況的に旅行はとても厳しい状況であったが、ご本人の強い希望でお世話になった知人らとの旅行をご依頼された。 ◇病院では、延命治療はしない方針であったがご長女様より旅行からは無事に帰ってきてほしいとのご要望がありました。 |
訪問看護(介護)で行ったケア
お世話になった知人らと一緒に旅行に行きたいとのご本人の強い希望で、2泊3日の温泉旅行に看護師が付き添った。
低血圧・低血糖・著しい体力低下が見られていた為、病状悪化時のことも想定して旅行先の近隣の病院をリストアップし、主治医より病状についての手紙を用意してもらうとともに、急変時に備えた看護物品も持参した。
初日は移動の疲れも見られたが、2日目以降は自室についていた温泉でかけ湯をしたり、知人らと楽しそうに食事をされた。
看護師は、日常生活援助(車いすへの移乗、清潔ケア、更衣、排泄介助)はもちろん夜間も付き添い、二時間ごとの体位変換や痰の吸引、排泄介助を行った。

行ったケアによる効果
知人らに楽しんで旅行をしてもらって恩返しをしたいというご本人のご希望通り、一緒に旅行をされた知人らも終始旅行を楽しまれ、また2泊3日の旅行中、トラブルもなく無事に帰院することができ、ご長女様のご要望にも応えることができた。
ご本人も知人らと旅行を楽しまれ、入院中はほとんど食事を摂ることができない状況であったが、旅行中は食欲もあり好きなものを楽しそうに食べる姿もみられた。