患者様の容態で探す認知症が悪化し、不安の増強や幻覚も時折出現し24時間の介護で家族の疲労も強い
このケースに当てはまる利用者像
対象者 | 70代 女性(認知症) | ご家族の 状況 |
長男ご夫妻と同居 |
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対象者の 状態 |
◇認知症があり、日常生活の大部分で看守り・介助が必要。 ※時折不安の増強や幻覚あり。 |
訪問看護(介護)で行ったケア
週に2回、家政婦さんの業務終了時間に合わせて訪問をした。ご家族がお仕事から帰宅されるまでの4時間のケアを行った。夕食の配膳や薬の内服確認から始まり、食後の片付け、足浴等を行った。心地良い時間を過ごして頂くことを心がけて介入をした。ずっと仕事をされてきた方であり、呼び方は馴染みのある「社長」で統一し、看護師であることは伝えず、ご本人の対応に合わせて、家政婦や時には従業員のように振る舞った。
徐々に看護師に慣れ、傍にいることが自然になっていった。テレビを見ながら談笑したり、時には入浴の介助もさせて頂けるようになった。不安が強くなる時もあったが、きっかけとなる要因を探っていった。不安を煽るようなテレビは見ないようにし、不安を訴える時にはタイミングを見て話を逸らせるように対応をした。それにより比較的穏やかに過ごせるようになった。
また、ご家族には細かく状況を報告。直接お会いできない時には連絡ノートに詳細を記載するようにした。認知症のみに限らず、血圧の変化や歩行状態、体調の変化等についても報告し、受診時の参考にして頂いた。また、認知症についての知識がなく対応に困っていた家政婦さんに対しても、関わり方のアドバイスを行った。

行ったケアによる効果
徐々に看護師に慣れてこられ、ケアできる部分が増えていった。自室には入れて頂けないだろうという話であったが、自室にも入れて頂けるようになった。
ご本人から看護師に積極的に関わりを持つようになり、笑顔も増えてきた。ご家族からも「最近落ち着いてきたようで、看護師さんに入ってもらって良かったです。トラブル対応や申し送りもしっかりしていて、安心できました。」との言葉を頂いた。