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vol.02 地域連携を変えた退院支援看護師たちの取り組み

埼玉県済生会川口総合病院在宅支援室長の山本艶子さんは、埼玉県南部医療圏(川口市、蕨市、戸田市)の退院支援看護師たちで立ち上げた「地域連携看護師会」において、様々な活動を率先して取り組んできました。その取り組みが病院の退院支援業務や地域との連携に大いに役立っているそうです。山本さんにくわしいお話をうかがいました。

取材先:埼玉県済生会川口総合病院

  • ●病床数424
  • ●平均在院日数10.0日

診療報酬改定を受けて退院支援体制を強化

埼玉県済生会川口総合病院(以下「川口総合病院」)は、平成10年、併設する訪問看護ステーションを立ち上げました。在宅支援室長の山本艶子さんは、立ち上げから14年間にわたって運営にも関わり、その経験から「退院支援を行ううえで在宅を理解しておくことの重要性」を痛感したそうです。いま済生会川口総合病院の在宅支援室に所属する退院支援看護師たちは、病院の訪問看護ステーションで最低1か月の研修を受けています。

山本さんを含む4名の退院支援看護師が、医療福祉事業課に所属するソーシャルワーカーとともに退院支援業務に当たっています。かつてはソーシャルワーカーが一元的に業務を担ってきましたが、医療依存度の高い患者さんが在宅へ戻らざるをえないケースが増えてきたことから看護師目線の必要性が高まり、平成24年度に在宅支援室が作られました。
現在は、在宅へ戻る患者さんは看護師、転院する患者さんはソーシャルワーカーが中心になって支援しています。

平成28年に改定された診療報酬は、これまで以上に在宅医療を推進する内容になっています。済生会川口総合病院でも在宅支援室の退院支援看護師を2名から4名に増員しました。今後さらに1名を増やす予定です。
退院支援を円滑に進めるためには、退院支援看護師だけでなく病院のすべての看護師が在宅のことをしっかりと理解していることが理想です。しかし、急性期病院の多忙な業務の中で患者さん一人ひとりの自宅での状況を把握することは困難であるため、平成27年に院内継続医療委員会で在宅支援マニュアルを作成しました。

病院に患者さんが入院すると、まず病棟看護師がマニュアルの項目に沿ってスクリーニングします。退院支援職員(退院支援看護師やソーシャルワーカー)はスクリーニングシートを見ながら漏れがないかをチェックし、入院後3日以内に退院困難な患者さんを抽出し、7日以内にはカンファレンスに上げます。その結果、「要支援」と判断すると、退院支援部門が関わるという流れです。退院する患者さんの数が月に900人として、その約1割が退院支援を受けています。

退院支援を受ける患者さんの割合は以前に比べて増えていますが、これを山本さんは「今まで漏れていた人がチェックに引っかかるようになったため」と捉えています。
医師の意識にも変化が表れています。脳外科や整形外科などの医師は在宅に対する意識が以前より高かったのですが、近年はそれ以外の科の医師の意識も向上しているといいます。

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