遠方の病院への転院(目次)
- ■目 次
- 1.ご利用までの経緯
- 2.転院当日
1.ご利用までの経緯
兵庫県にお住まいのSさんはご主人を亡くし、お一人で生活していました。ある時脳梗塞を発症し、自宅近くの病院で手術を受けました。手術後3か月ほど療養すると、発話は困難ですが表情である程度のコミュニケーションはとれる状態にまで回復し、少しずつ歩行訓練を始める状態でした。今後の療養生活についてSさん、娘様、息子様は相談しました。お子様たちは東京で生活しており、都内の病院に転院して二人の近くで療養することをSさんに提案。Sさんは東京出身で、結婚するまでは都内で生活していたこともあり、現在の住まいを整理して東京で療養することを決めました。
ご家族は主治医や医療相談室のソーシャルワーカーと相談し、新神戸駅から品川駅へ新幹線による移動を計画。Sさんはリクライニング車イスで移動し、転院当日は娘様が付き添う予定をたてました。転院の1週間前、娘様が病院を訪問して車イス移動やトイレ介助のレクチャーを受けましたが、自分の技術に自信が持てませんでした。「介護経験が無い」「元気な頃のお母様のイメージが強く、現在のお母様とのギャップにショックを受けた」などの事情を背景に、娘様は強い不安を感じたようです。「安心して移動するために誰かに手伝ってほしい」と考えた娘様はソーシャルワーカーに相談すると、プライベート看護サービスを紹介されました。看護師に介助を頼める点や、万が一の状態変化があった際の判断を任せられる点に関心を持っていただき、娘様よりプライベート看護サービスのご利用依頼をいただきました。
依頼を受けて当社看護師が病院を訪問し、Sさん、娘様、ソーシャルワーカーと面談しました。移動中のケアの内容、当日の持ち物、移動スケジュールなどを確認しました。病院-駅間の移動に利用する介護タクシーの担当者にも連絡し、待ち合わせ時間・場所を確認しました。
2.転院当日
転院当日、看護師は病棟を訪問し、病棟看護師からSさんの状態の申し送りを受けました。Sさんは病院スタッフの方々の見送りに笑顔で応えながら病院を出発しました。介護タクシーで新神戸駅へ移動、駅構内では駅員の案内を受けて待合室に移動しました。
予定通りの新幹線に乗車し、Sさんと看護師は多目的室に移動。リクライニング車イスに乗ったSさんと看護師で多目的室のスペースが埋まるため、娘様は一般座席に移動しました。新幹線の走行中、Sさんは落ち着いた様子で窓から外の風景を眺めて過ごされました。途中、看護師はゼリー食の介助や排せつ介助を実施。娘様は時々様子を見に来られ、Sさんの落ち着いた様子を確かめました。
3時間弱の新幹線を経て品川駅に到着。新幹線乗り場から駅出口に移動して介護タクシーと合流、1時間弱ほどで転院先の病院に無事到着しました。看護師から病棟看護師に移動中の様子をお伝えし、付き添いサービスを終えました。Sさんの病室から看護師が退出する際に、娘様より「私一人では心配ばかりで、対応できなかったと思います。看護師さんに居てもらって本当によかったです」と仰っていただきました。
- [ 転院当日のスケジュール ]
- 10:00 病棟看護師の申し送りを受けて、病院を出発。
- 10:40 新神戸駅到着、新幹線ホームに移動。
- 11:10 新神戸駅を出発。
- 14:00 品川駅に到着。転院先の病院へ移動。
- 14:50 病院に到着。看護師から病棟看護師に移動中の様子などを伝達し、サービス終了。
完
その他の利用事例
- 第28回 遠方の病院への転院
- 第27回 遠方で行われる結婚式への出席
- 第26回 ご家族の睡眠をサポートする「夜間の在宅看護」
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- 第23回 毎月1回の定期訪問–お母様外出中の娘様の看護‐
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- 第21回 有料老人ホームでの看護-医療依存度が高い方の入居をサポート‐
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- 第19回 対象者様の生活に合わせた介入
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- 第16回 呼吸器のリハビリを通してQOLを高める
- 第15回 入院中のリハビリを在宅でも
- 第14回 100歳を目指してリハビリ ~残された能力を最大限に~
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- 第10回 沖縄への2泊3日の船旅 ~転院時の看護師付き添い~
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