早朝・夜間・深夜の長時間看護の事例
夜間でも看護を必要としている患者さんがいる。
例えば、がんの終末期の患者さんは睡眠が不規則になり昼夜が逆転してしまうことがある。また、手術後は一時的に情緒不安定になって夜も暴れたり落ちつかなくなる人もいる。
就寝中の医療面の安全や精神的な安心感を得たい、というのが夜間にも看護が必要とされる理由である。・・・
この事例の基本情報
対象者とそのご家族の基本情報
対象者 | お父様、70代、がん終末期。 | ご家族 | 一人暮らし、お子様の家族は離れて住む。 |
---|---|---|---|
対象者の 状態 |
がん手術後に再発・転移が見られ余命告知あり。 強い痛みにより睡眠が不安定になり昼夜が逆転。早朝・夜間・深夜でも頻繁なケアが必要な状態。食欲不振のため低血糖リスクあり。 体位変換(自力)、歩行 (ふらつき有り・介助)、栄養(経口)、排泄(トイレ・歩行介助)、入浴(自立)、せん妄あり。 |
ご要望
(ご本人)余命の告知を受け残された人生を好きなように生きたい。なるべく家族には負担をかけずに自分のことは自分でやりたい。
当社が提供した看護ケアの内容
<基本ケア>
吸引、在宅酸素管理、体温・血圧・脈拍のチェック、血糖値チェック(低血糖回避のため)、輸液点滴(水分・栄養補給)、低血糖時のブドウ糖液・静脈注射、水分摂取介助、トイレ歩行介助、整容。
<疼痛管理>
痛みが強い場合の鎮痛剤投与(服薬、坐薬)。
<せん妄対応>
不穏時の抗不安剤(坐薬)、不眠時の睡眠薬投与(経口)、精神安定のためのマッサージや音楽、声かけ。
・人員 看護スタッフ5名
・時間 最初の一週間:毎日・夜間20:00-翌9:00(13時間) 退院後・2日間・24時間(お看取り)
本事例のポイント
1.一人暮らし患者さんをご家族は心配していた。
2.夜間も看護師は休む暇なくケアを行なう日々が続いた。
3.最期は看護師が24時間体制で常駐しながらお看取りまでお手伝いした。
その他の利用事例
- 第28回 遠方の病院への転院
- 第27回 遠方で行われる結婚式への出席
- 第26回 ご家族の睡眠をサポートする「夜間の在宅看護」
- 第25回 プライベート看護を「すぐ利用したい」
- 第24回 他事業所の「家政婦」「ホームヘルパー」サービスとの併用
- 第23回 毎月1回の定期訪問–お母様外出中の娘様の看護‐
- 第22回 通院付き添い-「定期通院」と「入院中、別の病院で受診」‐
- 第21回 有料老人ホームでの看護-医療依存度が高い方の入居をサポート‐
- 第20回 これから在宅介護をはじめるご家族の不安を軽減〜 退院直後の集中サポート 〜
- 第19回 対象者様の生活に合わせた介入
- 第18回 いつまでも元気で独居を続けたい
- 第17回 疾患を抱えてもずっと自宅で過ごせるように
- 第16回 呼吸器のリハビリを通してQOLを高める
- 第15回 入院中のリハビリを在宅でも
- 第14回 100歳を目指してリハビリ ~残された能力を最大限に~
- 第13回 最後まで自立した生活を ~認知症の母に娘が望むこと~
- 第12回 介護者不在時の代替看護 ~難病と向き合う家族~
- 第11回 住み慣れた自宅への帰宅 ~入院中の一時帰宅~
- 第10回 沖縄への2泊3日の船旅 ~転院時の看護師付き添い~
- 第9回 娘さんに生まれてきた余裕 ~退院直後の家族支援~
- 第8回 新郎の母を結婚式に参加させたい ~結婚式の看護師付き添い~
- 第7回 末期がん患者と親友との最期の温泉旅行 ~病院からの一時外出~
- 第6回 ご自宅での看取り看護 ~早朝・夜間・深夜の長時間看護~
- 第5回 “食べたい”欲求が強い母 ~自宅での糖尿病の治療~
- 第4回 無理をしすぎない家族の介護 ~昼間一人きりになる患者さんの訪問看護~
- 第3回 「最期まで夫を看てあげたい」 ~がん終末期の訪問看護~
- 第2回 「奥様が歩けるようになりました!」 ~自宅でのリハビリ~
- 第1回 「わたしだけの看護師が欲しい」 ~難病患者の精神面の看護~