自宅での糖尿病の治療事例
生活習慣病患者の増加が問題となっている。
生活習慣病は不健康な生活習慣が原因で引き起こされる病気であるから、治療方法はその悪い生活習慣を改めることに力点が置かれる。
しかしながら、長年かけて習慣化した生活パターンを変えるのはそんなに簡単なことではない。
正しく治療を続けるには本人の意思の強さも必要なのであるが、残念ながら自己管理ができずに元の不健康な生活習慣に戻ってしまう患者さんも少なくないのだ。
そんななか訪問看護の助けを受けたことで見事に生活習慣の改善に成功した事例がある。
この事例の基本情報
対象者とそのご家族の基本情報
対象者 | お母様、80代、糖尿病、高血圧、心臓疾患 | ご家族 | 一人暮らし。別居の娘さん |
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対象者の 状態 |
糖尿病の治療において食事管理の徹底が必要であったが、家族の言うことを聞かずに好きなものを食べている。そのままだと再入院の可能性があった。 |
ご要望
自宅で生活を続けたいと望む一人暮らしのお母様に対し、食事管理を適正に行なって欲しい。
当社が提供した看護ケアの内容
体温・血圧・脈拍のチェック、血糖値チェック・インスリン注射、配薬・内服管理、食後のサプリメント、口腔ケア、義歯洗浄、保清、スキンケア、トイレ移動介助、夜間見守り
・人員 看護スタッフ8名 ・時間 毎日24時間 ・ご利用期間 約2年間
本事例のポイント
1.糖尿病の食事管理がうまくできていなかった。
食事への知識不足や意識の薄さから、自分の好きな食事を好きなだけ摂取していた。
血糖値が安定せず、再入院の必要性も検討されていた。
2.食への欲求を無理に押さえ込まず、食事の内容を調整した。
看護師が毎日の食事を管理することによって、栄養と血糖値のコントロールを行なった。
食べたいものはなるべく制限せずに、カロリーや塩分のバランスが取れるよう、おかずや主食の組み合わせや量を調整して、食事から満足感を得られるように配慮した。
3.現在は安定した血糖値を維持し、患者さんは自宅療養に自信を持つことができた。
自宅での食事療法、薬物療法、運動療法を行なうことによって、現在では血糖値が安定した状態を保っている。
対象者本人も現在の状況について満足している。
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