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患者さんを抱える「ご家族」への看護

 「家族看護」とは、患者さんのご家族を対象とした看護です。患者さんを抱えるご家族の不安を軽減し、健康を維持するためのケアを、看護師が提供します。

 ご家族の一員が病気や障害を抱えると、ご家族も様々な影響を受けます。家族関係の問題(「病気を抱えた家族との接し方への戸惑い」「家族間の意思統一の問題」など)、精神的な問題(「看護・介護のストレス」「今後の生活への不安」など)、身体的な問題(「見舞いの通院による疲労」「在宅看護の疲労」など)が、ご家族に起こり得ます。「家族看護」は、患者さん本人だけでなくご家族も看護の対象として捉え、上記のような問題の解決や負担軽減のためのケアを提供します。

家族看護の内容

 家族看護の担い手は、「病院外来の看護師」「入院中の病棟看護師」「訪問看護ステーションの訪問看護師」など、ご家族と接するすべての看護師です。家族看護の場面は、「外来への通院時」「入院中」「退院時」「在宅療養中」など様々です。

 家族看護の内容は対象の患者の状態や家族背景により異なりますが、代表的な看護は以下の通りです。

ご家族同士の関係への援助

  • ・家族間のコミュニケーションの橋渡し

ご家族は、ひとりひとりがそれぞれの思いを持っています。「患者さんの治療方法の決定」「療養方針の選択」などの場面で、ご家族が納得して答えを出すためには、ご家族間のコミュニケーションが欠かせません。特定のご家族に負担が集中し過ぎないよう役割分担を促すためにも、コミュニケーションは重要です。
看護師はご家族間のコミュニケーションを促し、ご家族間の相互理解、意思決定、役割分担などがスムーズに行われるよう後押しします。

個々のご家族への援助 

  • ・健康維持に関する指導

患者さんを抱えるご家族は、精神的ストレスや看護による疲労にともない、体調を崩す可能性があります。看護師はご家族に対して健康維持の重要性をアドバイスし、「息抜き時間を確保する方法」や「看護とプライベートな生活のバランスがとれる看護目標」などをご家族と一緒に検討します。

  • ・病状に関する知識の指導

患者さんの病状について十分に理解していないご家族は、日々の病状の浮き沈みに対するストレスや、将来の見通しがつかないことへの漠然とした不安を感じやすいと言えます。治療方針選択の場面でご家族が納得できる判断を下すためにも、十分な病状理解は重要です。看護師はご家族が病状について十分理解できるように、病気・病状の理解に必要な知識を説明します。

  • ・看護技術の指導

患者さんの病状や療養場所により、ご家族による「移動・食事・トイレなどの介助」や「たんの吸引・呼吸器の管理・経管栄養の管理などの医療行為」が必要となります。入院治療から在宅療養への移行時などに、看護師は必要な看護技術をご家族が習得できるよう指導します。

外部のサポートに関する援助

  • ・主治医とご家族の関係調整

患者さん・ご家族が納得できる治療を受けるためには、ご家族と主治医の間のコミュニケーションがスムーズである必要があります。看護師は、ご家族の意志や希望が主治医に正確に伝わるようにアドバイスします。

  • ・看護領域以外の相談窓口についてアドバイス

「介護保険・医療保険サービスの利用」や「治療に関する経済問題の解決」など、適切な療養のために様々な支援を必要とする可能性があります。それらの看護領域以外の問題について、看護師は専門の相談窓口について情報提供し、問題解決を後押しします。

家族看護の必要性の高まり

 近年、様々な社会背景により家族看護の重要性が高まっているといえます。ここでは二つのトピックスを紹介します。

  • 家族関係の希薄化

二世帯・三世帯同居など大家族が多かった時代に比べて、核家族化が進んだ現代は、家族間のコミュニケーションが希薄化しています。高齢・疾患により家族の一員に看護が必要になった場面で、家族間で意志統一された対応が難しくなったといえます。看護師は家族間のコミュニケーションの橋渡し役として、患者さん・ご家族ひとりひとりが団結して看護と向き合えるようサポートする必要があります。

  • 在宅看護の増加

行政の医療政策は、「長期入院にかかる医療費の抑制」や「効率的な病床の活用」を目的に、病院から在宅への療養環境の移行を後押ししています。それにともない、在宅で看護を担うご家族が増えているといえます。ご家族が必要な知識・技術を習得し、安心して在宅で看護を実践するためのサポートとして、「入院中の病院看護師による知識・技術指導」や「退院後の訪問看護師によるフォロー」が重要な役割を担っています。

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